アイスクリームと獅子

好きなものの話、身勝手な文芸

2025-08-19から1日間の記事一覧

近代短歌の鑑賞(5)佐佐木信綱

信綱は和歌革新運動の中心にいながら、穏健派と呼ばれていたという。 歌を読むだけでそう呼ばれた所以がわかる。 山の端に月はのぼりぬ我が笛を今こそ吹かめ月はのぼりぬ なんというか、おおらかで楽しそうだ。 和歌っぽい文体やモチーフも感じられる。 他に…

近代短歌の鑑賞(4)石槫千亦

寡聞にして初めて読む歌人だった。 「心の花」を創刊したキーパーソンらしい。 海の歌人と呼ばれたらしく、ひかれている歌もほとんど全て海の歌かと思う。 昆布の葉の広葉にのりてゆらゆらにとゆれかくゆれ揺らるる鷗 かもめが何羽かゆらゆらと飛んでいる様…

近代短歌の鑑賞(3)正岡子規

子規の根底にある考え方は、頭の中で作りあげた空想や理想といった事柄はその人によほどの才能がないかぎり類型におちいり、平凡なものとなってしまう。小高賢編『近代短歌の鑑賞77』16頁 近代文学の豪と呼ばれる人たちはこのようなクリエイティブにまつわる…