くもりなきみよの光に影みえて月日もいまやてり増るらん
一読してスッと入ってはこない。
これが短歌と言われると「いや、和歌やん」という気持ちになる。
漢字を使って読み下すとこうなるだろうか。
曇りなき御代の光に影見えて月日も今や照り増るらん
自信はないが、こんなところではないかと思う。
意味をとってみると、
御代は天皇だとか治世だとかの意味なので、
ざっくりとだが
天皇様の治世は曇りのない光の中に姿が見える。月日を増していくごとに月も日も照りが増しているのだろう
といった感じの意味だろうか。
天皇を称揚するような歌だ。
おそらく月日は掛け言葉だろうとして訳をこころみた。
やはり和歌のような風情だ。
作者の落合直文は和歌改良を唱えた「あさ香社」の創設者で、掲題歌は直文の現存最初の作品である。
その流れにおいてみると、ここが近代短歌の一番初めだと言ってみてもよく、なるほどね、と少し納得もいく。
去年の夏うせし子のことおもひいでてかごの蛍をはなちけるかな
この歌は比べてみると現代的なテーマでスッと入ってくる。
子供の死をテーマにしていて一読してショッキングだが、蛍を放った主体の心中やいかに、と推し量るに余韻のある歌だと思う。