アイスクリームと獅子

アイスクリームと獅子

lionなのはわかっているよ

どこまでなんだ

中文の先生に、漢詩を読みたいのでオススメを教えてくださいと言った。
白文、書き下し文、現代語訳、語釈だけくらいの、シンプルなやつがいいんですと言った。
先生は自分のデスクの引き出しを開けて「これかこれかこれだな」と説明しながら私に渡した。
デスクの中にそれだけの本が入ってるのが、なんかいいなあと思った。
先生は私が相談しに行くと、デスクやらカバンやらから、その時に合ったおススメの本をすぐに渡してくれる。

その中で唐詩選を貸していただいた。「それなら3セットあるから借りてっていいよ」とのことだった。
「3セット、、、」と私は呟いた。
「新編が出るっていうから、手に入らなくなると思って見かけたら買ってたんだよ」と先生は言った。
なるほどね、大学の教授あるあるだな。

それくらいの熱量がなければ研究者なんかなれないよなあと思った。
そのことに、幾分前から気づいていた。


好きなことを仕事にできる人は一握りだという。
だけど、そもそも、仕事にしたいと思うほど好きなことがある人がそんなにいないのではないかと思う。


研究者になりたいと思っていた。
漠然と、勉強が好きだったから。
でも、私にはできないと思った。
大学に来てから私は、勉強することが得意でも好きでもないのだということに気がついてしまった。


私には何もない。


阿呆だと思う。
「いやいやいやいや、何諦めてんの、やりたいことだったんだから、そんな風に投げ出さないで、最後までやってみればいいじゃん」
なんて正論を言われて何も言い返せない。


でも、最後までって一体どこまでなんだ。
一体いつまで続くんだ。



私はもう諦めた。
いつまで続くかもしれない道に行くのはごめんだった。
その道がいつまでも道である保証もない。
どこかで急に途切れて崖になっているかもしれない。ていうか多分なってる。
私はそれを飛び越える勇気を持ってない。



だけどその道を諦めてはたと気づいた。
じゃあどの道だったらいいんだ。
どの道もどこまで続くのか、本当にずっと道なのか、全くなんの保証もない。



道ではない場所を道にしていくことができたらどれだけいいのだろうかと考える。
でもその技術がない。
方法がわからない。



「諦めないで」「頑張れ」「次はできる」
そんな言葉を真に受けて、前に進むことしか、上を向くことしかしてはいけないような気がする。
「みんな苦しいけど頑張ってる」とか、知らんがなって思えたらどれだけいいだろう。知らねえよ!と思いながらどこかでその言葉を真に受けてる自分がいる。

それはどこまでなんだよ。
いつまで上と前だけ向いていないといけない。
どこまでやってりゃいいんだよ。



もういっそ!自分の気質も、自分の環境も、今までも、これからも、全部ぶっ飛んでしまえばいい。