アイスクリームと獅子

アイスクリームと獅子

lionなのはわかっているよ

空の青さを知る人よ ネタバレ

しんのとあおいが空を飛び、慎之介がそれを見て「飛んでんじゃねえか!」「タクシーもねえじゃねえか!」と言って必死に追いかける。
そのシーンを見て私は席で静かに爆笑していた。
だが、私が笑っていたのは、「急にファンタジーだな笑」みたいなことでも、「必死乙w」みたいなことでもない。



慎之介の気持ちは痛いほど分かった。
私も、こんな大人になるのだろうか、なんて考える。
というか、今だって、そうだ。もしも、かつての私が今の私を見たら、怒るんじゃないかなとか、たまに考える。
だけどそれは、仕方ない。
その方が、楽だし、そうでもしないと、生きていけないから。

夢を追いかけて東京に出たはいいものの、一度のソロデビューで終わり、あかねを迎えにいくことは到底できなかった。
今でも音楽を続けてはいるけど、それは自分が思い描いていたものとは程遠い。

そんな中で何も知らずにまっすぐ音楽をやっているあおいにイライラするのは、過去の自分の無知さと重なるからだ。

「それでも毎日生きてる」というセリフが印象的だった。自分の夢を追いかけてばかりでは生きられないのだ。
そうやって何かと理由をつけて、諦める癖がついてしまう。

だが、しんののまっすぐに走る姿を見て慎之介は走り出す。
絶対にしんのみたいには飛べない。
でも、飛べなくても走ることはできる。


それはなんとなく、希望みたいだったから、私は劇場で笑ったのだ。


「お前どこいくんだよ」とかつてのベーシストに言われ、「ガンダーラだよ!」と答える慎之介、最高に笑いました。よい!!