アイスクリームと獅子

アイスクリームと獅子

lionなのはわかっているよ

向上心

「向上心のない者はバカだ」
と彼女は言った。
私は笑いながら、「それなんだっけ」ときいた。
「Kの言葉だよ」
「ああそうだ、漱石だ」
と私は笑いながら手を叩く。

「私はこれを読んだ時めちゃめちゃ共感したんだよ」
と彼女は続ける。


彼女は「社会人になったら、なるからには昇進したい」
私は意外かのように「そうなんだ」と相槌。

それをききながら私は、私にはそういう意味での向上心は全くないなと思った。
トリプルファイヤーを憧れにしてしまうような人間だ、と朝思ったことを再度思う。


ちゃんとやることは好きだ。
目的に向かって自分のできることをやる。
できないことは課題として、克服するにはどうすればいいのか考える。
だがそれは、昇進したいとかそういう話とは全く別次元だ。


彼女は言った。
結果がないと精神的に苦しいから
と。
なるほど。
自分だけの満足感だけでは足りないということだろう。
確かに、他人の承認は必要かもしれない。

しかし私は思う。
昇進という結果が、私を満足させるのだろうか?と。
そこにある価値観は、一体どれ程の価値があるものだろうか?と。
それを、斜に構えていると言うなら言えばいい。

私の価値観はそこにはないし、だからといって、どうやら、私はKの言うバカでもないみたいだ。


何に価値を置くかは人それぞれで、少しずつだが、自分の価値観を明確にしてゆくことができている。


目標がないと生きられないのか、とたまに春日がラジオで言う。
私はこっちのKの言葉に強く共感するのだ。