アイスクリームと獅子

アイスクリームと獅子

lionなのはわかっているよ

2019夏

夏が一番好きだ。


だからと言って、自分から花火大会や海へ行ったり、プールへ行ったり、浴衣を着て祭へ行ったりはしない。

じゃあなぜ私は夏が好きなんだろうか。


昨日は21の誕生日だったが、20までとは明らかに思いが違う自分に気がついていた。
20まではなんだか自分の中でもめでたい感じが希薄ながらもあったが、21からはただただ年を取っていくだけじゃないか、と思い虚しくなった。


小学6年の頃だったか、学校のプールに行ったら同級生が一人もいなかったことがある。
別にそれはどうでもいいのだが、なんかふと思い出した。
周りがフリータイムではしゃぐ声を聞きながら、プールの端っこの方でゆらゆら浮かんでいた。
誰も私のことを気にかけてなどいなかった。
不思議と寂しくはなかった。ちょっといたたまれない気がしただけで。


花火大会行くの?と聞かれ、行きませんと答える。
わざわざ自分から行きたいと思わない。
聞いてきた人のうちの一人に、「人混みとか嫌いそうだもんね」と言われたが、それが理由ではない。「いやでも、結構渋谷のスクランブル交差点好きだったりするんですよー」と答えたら超意外がられた。自分でも意外なのだからそう思うだろう。

花火を近くで見ると、綺麗さよりも恐怖がまさってしまう。降ってくる感じが苦手なのだ。

小さい頃近所のお祭りで、いつも最後に花火があった。超至近距離で打ち上げられる花火は、火の粉が本当に目の前の目の前で消える感じに見えていた。
風が強い日はもっと恐怖だった。



花火はたまたま外に出ていたら、遠くの方で上がっているのが見えるのが一番良いのだ。マンションに四分の1くらい隠れてしまっていて、「あー隠れてるわー」と思いながらも見てしまう花火が一番いいんだよ。
もしくは家の中にいて花火の音が聞こえてきて、「あ、今日花火なんだ」と初めて気づくのもいい。


つまりそういうことだ。
夏はみんなに平等な気がする。
祭りに行かないでいようがプールに一人で浮かんでいようが花火は遠くから聞こえてくるし見えてくる。
道を歩いていれば蝉時雨が降ってくる。
わざわざ出迎えなくても夏を感じることはできる。