アイスクリームと獅子

アイスクリームと獅子

lionなのはわかっているよ

記録

今朝、自分がいる世界が、みんながいる世界と同じものなのかがわからなくなった。今ここを歩いている私がいることは確かだった。だが、同じようにここを歩いている幾人もの他人が、本当にここに存在しているのか、という疑いようもないはずの事象を信じられなくなったのだ。
これに似たようなことは、高校生の頃から何度か経験していたが、大学生になってからは初めてだった。
自分が今いるこの世界は、自分がいていい世界なのだろうか。違う世界に迷い込んでしまったのではないか。そういった思考がろくなことにならないことを私は知っていた。だが、思考は止まる気配を見せなかった。もしそう思って止められるのなら、今までだって止められたはずだ。
どうしよう、どうしよう、と脳内は焦っていた。ここは本当に自分がいつもいる世界で正しいのだろうか。今ここを歩いている人たちは本当にきちんと存在しているのだろうか。考えれば考えるほど訳が分からなくなり、吐き気を催した。涙が出てきそうになり、コンマ何秒か瞼を閉じてやり過ごした。
教室に着くと少し落ち着いた。かばんを机の上に置くことができたし、自分の手は自分の思うように動いていることを認識できた。人が話している声が、さっきよりもきちんと聞こえてくるような気がした。
授業が始まって、しばらく経ってからスマホが光った。友達から遊びの誘いのLINEが来たのだ。それを見て私はあまりに安心して、さっきとは違う理由で泣きそうになり、ようやく授業に集中することができた。