アイスクリームと獅子

※当ブログはアフィリエイト広告を利用しています←これは景品表示法の改正でみんながしているのをマネして書いたものです。

オードリーin武道館

本当に本当に武道館に行けてよかった。
楽しかったとか面白かったとかはもちろんそうなんだけど、それよりもずっとずっと強く「よかった」と思った。
生きててよかった、なんていう言葉はまだ言えないけど、とりあえず、今日まで生きてきてよかったと本当に思った。
こんなことを話すと重いと言われると思うけど、私の中では全く重くなく、本当に何も誇張せず去年の今頃この日までは生きようと決めていた。
その日が終わってしまった今、私はもうどうやって生きたらいいのかちょっと迷子になっている感覚だ。

一年前、若さんのエッセイを読んで救われて、生きるのが本当に楽になった。
それからまちまちに聞いていただけだったオールナイトニッポンを毎週欠かさずに聞くようになった。
若さんのナナメ発言と、それと反してどこまでも人生上手なカスミンの言葉。
話の仕方と話の聞き方、面白いゲーム、ゲストの人生、いろんなことを教えてもらった気がする。

一年と少ししか私はオールナイトニッポンを聞いていない。
10年前私は10歳だ。M1の決勝の記憶が微かにあるだけだ。
だけど武道館のオープニング映像からエンディング映像まで、その後の漫才まで、10年の厚みを感じる3時間半だった。
むつみ荘7人のライブから12000人の武道館のライブへ。
全ての熱量を100%で感じることはできなくても感動してしまったのだから、10年聞いてきた人はどう思ったんだろうか。それと同じ熱量で感じることができないのが、少し悔しかった。


身内ネタで固められた演者と、それを全力で求め全力で笑う観客。
オープニングの「40分オープニングトークする」「曲を流さない」「ガチャ切りする」「すぐ裸になる」で受ける会場が最高だった。
7人から1万2千人へ、で感動しちゃったのにハブになってるっていう画像で、感動とかそういうのどうでもよくなって笑っちゃうし。
ああ、深夜私が笑っている話を、世界中で同じように笑っている人がこんなにいるんだという。世界をリアルに感じることができる感覚。
復ビン、チャレンジ、お隠れ、岡田マネ、もっともっと……。
なんだろう。まぎれもなくここにしかない空間だった。
リトルトゥース、という同じ文脈を持った仲間にしか伝わらない笑いだからこそ、伝わることがこんなにも嬉しい。
仲間内でその人たちにしか伝わらない言葉でくだらない話をするのってすごく楽しいじゃん、ああいう感じ。あれを武道館規模にした感じ。こんな経験なかなかなくない?
ライブって、新しいネタを見るために新しいことを感じるために行くのが一般だけど、そうじゃないんだよこの武道館。
その中でまだまだ新参リトルトゥースの私も一緒にめちゃめちゃ笑って、演者のみせたいことがわかって行く感覚が本当に本当に嬉しかった。
いつも電波の向こう側でうんうんうんうんうなづいて笑っていただけだったのが、リアルタイムで伝えられるこの幸せ。

ラジオって距離が近いっていうけど、本当に愛しかなかったですね。
リトルトゥースを「表に出られない人たち」「こいつらが悪い」とかいう若ちゃんの声楽しそうだったしそれでこっちもいじられて楽しくて笑っちゃうし。
あーこのやりとりだ、いつも聴いてるやつが今目の前に……という感動は単純にあって、これが毎週聞くたびにあーこれ武道館で聞いたやりとりだ、とか思えるんだろうか。

エンディング、10年間のハイライトが映像とともに流れる。初回の放送とM1の映像、トラの被り物被りたくない話、たりないふたりの映像、日曜芸人で泣いた話、アカデミー賞の映像、カスミンのMVS、IPPONグランプリ優勝の映像(若さんのばっかり覚えてるな)。
リアルタイムで聞いていなくても全部わかって、本当に本当に嬉しかった。
10年20年が流れる中、M1で降りるタイミングわかんないとかトラ被りたくないとかのトークが流れて、胸熱以外の何物でもなかった。
トラとかアカデミー賞の映像でドッと笑いが起こるの、すごいでしょ。伝わってる感じがすごいでしょ。それを面白いと思ってるのが1万2千人で共有できる場だったの、すごいでしょ。普通に。そういう3時間半だったんだよ。
それってきっとオードリーの二人も思ってるんだろうなって思えて、素敵すぎる空間だった。
愛しかなかった。
10年20年の歌詞がしみすぎた。

10年20年経って 肩組んで笑ってたいな
10年20年経って 泣いていてもまあいいかな

家に帰る途中、そういう気持ちがどばっと一気にきてぼろぼろ泣いてしまった。
ああ私、今日までこれを見るために生きてきたんだった。
基本的に、自分から楽しむことがすごく苦手で、楽しいとか感じる前に自分のことを客観的に見てしまうくせにいつも苦しめられてた。でも武道館で喉枯れるくらい笑って手痛くなるほど叩いて、盛り上がるところでは声を上げて。
熱中、していた。

ずっとずっと私のような人間なんていないと思っていた孤独感に苦しめられて死にたかった。それを救ってくれた人が目の前で漫才をしていた。
若さんの本を読んで大号泣した一年前。父の死を悲しめずにいた時のことだった。私はこの本を読んでやっと悲しめたような気がした。
それが武道館で父親の死をネタにしてみんなで笑うなんて、あぁ、世界を肯定するって言ってたのってこれのことだ。
これって、もしかしてすごい奇跡なのでは?


どばどばとあとからあとからいろんな気持ちが押し寄せてきて、いつもそういうときって苦しくなってしまうんだけど、今回は苦しくなかった。
お笑いって本当にすごいな。私にとってお笑いってすごく偉大だ。
いろんな気持ちに名前が全然つかなくて、最後に若さんが「まとめるとトゥースだね」って言ってたことを思い出した。その時は「またよくわかんないこと言ってるな」ってただ爆笑してたんだけど、ああ、この気持ちがトゥースかってなった。まとめるとトゥースだね。

ああ〜どうやってこれから生きようかな〜。