アイスクリームと獅子

気にしないでください

水族館

一人で閉館間際の水族館へ行った。

もともと好きだった場所にどうも居心地の悪さを感じるようになってから、水族館までたどり着くのにかなり遠回りしてきたように思う。

本屋に行っても、購買欲がむやみに掻き立てられるだけで、その感覚を味わうほどの余裕がかつてほどなくなってしまった。最近では本屋に行っても感情が波立たないようになってしまって、それはそれで悲しくなる。

茶店に行っても、「一人で喫茶店でコーヒー飲んでる俺」という客観視に苦しめられ、楽しさはあるもののくつろげなかった。

映画館。そもそも映画があまり得意ではなかった。途中で必ずトイレに行きたくなってしまう。

ライブハウス。好きなミュージシャン以外でライブハウスの雰囲気を楽しむ自信はなかった。


そしてたどり着いたひとり水族館である。なぜ今まで思いつかなかったのだろう、と思うほどに居心地が良かった。自分の精神性に今までで一番合っていると思う行動だった。平日の夜、あまり人のいない水族館を自分のペースで回る。
年間パスポートを買ってしまった。


水槽の中で泳ぐ魚を見ていると、めちゃめちゃ自由に泳いでるようで羨ましく思う。
だけど、彼らは狭い水槽の中にいてどこにも行けない。そして、今こうして順序通りに進んでいる私たちもまた、どこにも行けない。
私たちも、地球という大きな水槽に入れられただけの存在でしかないのだろう。