アイスクリームと獅子

気にしないでください

いとうせいこう『今夜、笑いの数を数えましょう』雑感

第二夜までは全然知らない人が全然知らない時代の全然知らないものを語っていたので、不勉強の私はあまり面白くなかったのだが、第三夜バカリズムから一気に面白くなって、ずっとウンウンウンウンうなづいて「面白いなあ」と呟きながら読んでいた。




久々の本の感想です。ゆーて雑感なので特に考えずに固有名詞をバンバン出しまくりますが気にしないでください。



バカリズム

ピンは立体的

ハナコ東京03など、好きと感じるコント師は三人組だ。
私がコントがわからないっていうのはあるけど、もしかしたら二人組が平面的であるせい、なのかもしれない。
ピンのコントはすごく面白いというか、深いというか。
岡野さんのネタも見たんだけど、本当に凄かった(スタジオの悲鳴はマジで邪魔だった)。一人だから、観客はそこにいるほかの物事を想像せざるを得ない。その点、陣内のネタは平面的なのか、あれは。
対して二人組で面白いと感じるコントってなんだろう、と思った時、かまいたちとかバナナマンくらいしか思いつかなくて、この2組は平面的な感じがあまりしないなと思った。
意外性と裏切りと共感。うん、確かに、言い当てられた時って笑えるんだよね。それそれそれそれ!よくぞつっこんでくれました!っていうやつ。もしくは、こっちは何も考えてないけど、ツッコミをきいたら「確かに!」ってなる時も面白い。粗品のツッコミはこっちのタイプだよね。
架空OL日記が出てきて、バカリズムって現代の紀貫之だよなwwwって思った。
リアリティの話で、私が小説に対して感じてる違和感と同じことが書いてあった。なんでこの人自分の名前と学校とか年齢とか、相手の服装とか説明してんの?笑みたいな。いやだからそういうのを全く書かないショートショートとか書けないかな〜。小説書きたさはずっとあるんですよね。確かにバカリズムのコントって、カセットデッキに大事なところが挟まった、とか状況設定は全くリアルじゃないのに、コールセンターに電話して言うセリフがリアルなんですよね。ああ、この状況ならそう言うよね、っていう。本当にすごいな〜と思ったんはブーメランは殺傷能力が高くて〜みたいなコント、あれは天才だと思った。
笑いってエラーだよね。多分。そんな論文あった気がする。感情が向かおうとしている先に向かえなくなった時に笑い、感情が向かおうとした先を越えたたときに泣くのかもな。




枡野浩一

松本人志の基準は詩歌の基準

お笑いと短歌は似ていると思っていて、それをエッセイに書きたいと思っている。
枡野浩一歌人。期待していたんだけどまさに書いてあった。しかも期待以上の言葉が書かれていて。そうかあ…ふぅーん…とうなづきまくっていた。確かにIPPONグランプリとかでチェアマンが大喜利中に言う言葉と、歌会で考えていることって似ているかもなとか思う。
あと高度な人にしかにゃんこスターの面白さはわからないって書いてあって、そうなのか…?という気分。にゃんこスター普通に面白くないですか…?面白くないって言う人もいるのは知ってるんですけど…。
俳句で説明してたけど短歌でも同じです。つきすぎるとつまらないし離れすぎるとわからない。
一番興味深かったのはコンテクストの共有の限界はどこののか、という話。明日のアーとかまで出てきて驚いた!コンテクストの共有ができないとわからない、というのも短歌との共通点の1つになる。でもお笑いってここまで有名なので、短歌との違いはなんなんだろうそれは。ただ、明日のアーを例に出すと「カランコロンカラン」のネタは完全にお笑いのコンテクストを共有できてない人間には全くわからない世界なんだろうなとか…。東京03も似たようなのをやってたけどあれは完全に東京03を見にきた人に対してやってるから成り立つわけだし明日のアーも同じなんだろうけど、、面白いなあ…。


宮沢章夫

宮沢章夫は最後にも出てきてかなり難しい話をしているんだけど、かなり面白い。面白いと言いつつこの本は本当に私の理解の範疇を超えていて、なんでその話からその返しが出てくるのかわからない、ということが多くあるんだけど、それがまた面白いというか。そういう風に対話が進んでいくんだなって。そのコンテクストを私は持ち合わせていなくて、演劇とかの歴史とかも絡んでくるんだけど、多分それを自力で調べても面白くないのかもなあ、私の場合、それを人がどう捉えてどう話すのかに興味があるのかもしれないとか考えた。
この本めっちゃ演劇の話出てくるんだけど、演劇ってもともと笑いなのかな。確かに、テンセイクンプーを見ても印象的だったのは脚本が急に笑わせに来ることだった。演劇の授業でも、笑われてなんぼだみたいなことを指導されたし。
エッセイの話、声だして笑ってしまった。「ほんわかエッセイが好きな人は、なんかバラが咲いて、それが街に香り出したとか書いちゃう」なんかバラが咲いてwwwそうなんだよな。この本にも別役実が何回も出てくるけど、私も別役実のエッセイ好きなんだよ。ああいうエッセイ書きたいなあ。まじめに意味不明なこと言うっていう。眠らない木の塚本邦雄ファンクラブの文とか、トリプルファイヤーの紹介文とかデタラメなことをまじめに書いてるのが面白い。



宮沢章夫2

信頼できる人が出てくると笑う、みたいなところで、宮下草薙がボケでめちゃめちゃ長い間をとったときに、おとうとが「セリフ飛んだ?」といったことを思い出した。

まとめ

めっちゃ面白い本です。お笑い好きの方は絶対読んだ方がいいし、演劇の人も読んでみたらいいのでは、と思った。というめちゃめちゃつまんないまとめで終わる。