アイスクリームと獅子

ノーライフ、ノーエブリシン!

エピタフ

トリプルファイヤー3rdアルバム全曲メモ。

SEXはダサい
最初の方は、結構過激なことを言っていて、いいぞいいぞ〜と思いながら聴いているのだけど、最終的に取りやめるのが面白くて好き。

思い切ったことを言う時に、自分の胸の奥の方に出てくる小さな違和感が、徐々に積もり積もっていった時(関根勤が最後なのも、主観でしかなくなってるからだろう)ごめんって謝っちゃう。
「今はそうでもありませーん」言うてるし笑。そんな謝る気もない。無責任って言ったらそれまでだけど、誰が本気で「ロックはもう終わってる」なんて言うのって話。

でも、「インドに一回行ったほうがいい」に代表されるように、妙に説得力高いこと言ってんのも面白いんだよなぁ。


トラックに轢かれた
この前ソファを買うときに「家の家具減らすからこんだけ大きいソファでもいいかな」って言われて、「いいんじゃない?」って答えた。「まあトラックに轢かれるけどね」とすぐ心の中でつぶやいた。
要はなんでもいいのである。悩む必要ないよなーって。誰かの目とか気にする必要ないよなーって。トラックに轢かれるから意味ないし。

勢いと間がいい。「40代なのに!20代に見えた〜。。。。トラックに、轢かれたっ」
もっと気楽に生きていいんだなって思える。
絶対吉田は死にたいとは歌わないと思っていて、そこをなぜかすごく信用してしまってるんですよね。


変なおっさん
大好き。
「変なおっさんに、なるー!」って叫ぶロッカーどこにいるんだよ。正しすぎて笑ってしまう。変じゃないおっさんおばさんなどいない。若者からしたらみんな変なおっさん。みんな絶対変なおっさんになる。
「季節は巡り続ける街は少しずつ顔を変えて行く」というポエジーを無効化する「変なおっさん」
「新しい世代の若者がスターダムを駆け上がって行く」スターダムって言葉がもうおっさんっぽい。
「日本は力を取り戻す!でも、世界中で争いが絶えることはない、俺はおっさんになる」ロッカーぽい言葉言ったかと思ったらそれも無効化する変なおっさん。

ロックンロールもポエジーもひらりとかわして意味のないことを言うのがよい。飾ってない。リアルだ。


Bの芝生
この曲はほんっとうにすごいと思う。すごすぎる。純文学?哲学?知らんけどとにかくすごい。

宇宙空間みたいなところに何平方メートルかの芝生があって、それを上から見ている。二つに分かれてて、片っぽがAでもう一方がBの芝生。
自分の名前が書かれた紙が上から落ちてきて、どっちに落ちるかで人生が決まる。Aのほうがいい人生ってこと。

人生はどうなるかわからない、とはよく聞く言葉なんだけど、私はそれを疑っている。
本当は全部、最初に、生まれる前に、いつどこで誰にあってどんな言葉を話すのか、どんな仕事につくのか、どんな人と結婚するのかしないのか、全部決まってるんじゃないのかって思うことがある。
そう、まさに、「気流か気圧かなんかのせいで」決まっている人生を、私たちは自分で選択したかのように生きている。
だから、Aに行けないことを苦しみ、自分はなんてダメな奴だと卑下するのではないだろうかと私は思っている。

Aに行くかもしれなかった俺の人生は、最後の最後にやっぱりBの芝生に落ちた。
「でも俺今じゃBの友達と遊んでる も〜Bの職場での立場がある」
「でも俺今じゃBの言葉使いこなしてる Bの先生や家族に感謝してる」
記号性の非常に高い言葉を使ってここまで表現できるのがすごい。然るべくして記号を使っている。ここは記号性の高い言葉じゃないとうまいこと伝わらないと思う。
同じ国の中でも言葉って変わる。超エリートが使う言葉と、アルバイトして暮らしてる人が使う言葉はもはや外国語並みに違う。

「一回決まったんで絶対変えられなくなった 俺が生まれる前からもう決まってた話」
最後この歌詞が流れて鳥肌たった。この前に、「紙がどっちに行くのか誰にもわからなかった」って歌っている上でだからすごい。この二つの事象は矛盾しないので。


戦争の話
ロッカーが戦争の話って言ったらほら、なんか、争いに対する憤りとかやるせなさとかを歌うんじゃないのかな?って思うけど、全部裏切られるのが最高。

あと、「はい、じゃあ」って何回も言う(もう歌ってない)のがリアル。


面白いこと言わない人
周りの人間を見て、あいつらなんで面白いことを言ってないのにあんな笑えるわけ、みたいに見ちゃう時、アルヨネー。
特に「お前つまんねえな」って言われた後とかね。ショックだよねー、多分この人言われたよね「ビートたけしのモノマネ二度とやらない」って言ってるもん、一度はやらされたんやねー。

いや俺は今、なんも言ってないけど、あいつらみたいな流行のギャグとかやるような陳腐な人間じゃないから。俺はやったら面白いから。センスがあるから。って心の中で醸成させちゃって、最後まで飲み会楽しめない系の。


今日は寝るのが一番よかった
タイトル笑 日本語ってすごいなって思いますね。
最高。
一日中寝てしまった日って「うわしまった」と自責の念にかられそうになって死にたくなるんだけど、この主体は「今日は寝るのが一番よかった」ってどうにかして正当化しようとしていて、なんだけど連呼するたびにチグハグな気持ちも出てるのが本当にうまいと思う。歌い方も暗いし。

うん、よかったよかった、今日は寝てよかった。体もこんなに楽になったしうん……よかった……
っていう時の、完全に立ち直れてない感。


ゲームしかやってないから
ケータイのゲームなんて暇つぶし以外に何の役にも立たないことぐらいやってる人が一番よくわかってる。それでもやってるわけだからとやかく言ってくんな、そりゃお前が勝つわ当たり前だわ。
自覚があればオーケーだよな。「ゲームばっかりしてるからそうなる!」とかってまあ親は怒りますけど、逆に「そりゃそうだろ」って言い返すとか最高すぎかよ。


質問チャンス
私質問チャーンス!って一人で心の中で思ってるときあるわ……。
今ならなんでも答えます!っていうモードになる時がある。
まぁ誰も何も私に聞きたいことなんてないんですけどね。

なんかしゃべんないと友達になれない
なんでこんな当たり前のこと連呼してんだろうっていうおかしさ。
この曲もやばいよね。当たり前なんだけど、当たり前のことに対する違和感ってあるじゃないですか。天気の話に対して、意味のないことなんでするんだろうとか。
二番なんかほんとおかしくて、そこまでしたのに何も言わなかったのって笑ってしまうんだけど、このおかしさはおかしみであると同時に違和感的なおかしさでもあって。「なんか喋んないと友達になれない」に対する違和感の共有に成功していると思う。
天気の話さえしてれば友達になれたのにね。


こだわる男
大好き。
言葉の区切り方が本当にぐっちゃぐちゃだし意味がほとんどないんだけど、曲調に乗っちゃう。楽しいのは歌詞の意味の薄さも関係すると思う。これがもし君が好きだとかそういう系だと乗れない。
で、歌詞見てみると本当にくだらないことしか言ってないし。
「職人こだわりの塩で天ぷらで食べる」とかなにこの歌。小津安二郎をおづやす/じろうで区切ったり、十把一絡げの俺を「じっぱ/ひとか/らげのれ」と歌ったり。「俺」の母音をつなげちゃってるし。
この曲聴いてると何もかもどうでもよくなってくるのがいい。


全国大会
わかる。
県大会には呼ばないでほしい笑、呼ばれたことないけど。
あと、全国大会に呼ばれても行かないけど。
多分この主体もそうだと思うんだよなぁ。多分先輩は全国行かないと思ってて、でも県大会には行きたくないから、「全国行ったら呼んでくださいよ」って言えば向こうも悪い気しないじゃんっていう。断る道具にしちゃってるけど別に良いじゃんっていう。


全体的に、なんでも良いじゃん感が強いアルバム。