アイスクリームと獅子

美しいものと美しくないもの

スキルアップ

トリプルファイヤー2ndアルバム全曲メモ。



面白いパーティー
「美味しい麦茶」ってラベルに書いてある麦茶みたいな。美味しくない麦茶なら売るなよ。

面白くないパーティーはもはやパーティーではない。地獄である。
「面白い話があってさー」って始まった話はたいてい面白くない。

弾けるクラッカー、可愛いダックス、人数分用意されたシュークリーム、ジェンガ大会、罰ゲーム、プレゼント交換タイム。
これを用意して主体は、「面白いことだけを集めた面白いパーティー」と言いきるのである。
この人ひたすら一人で準備してるだけなんですよね、おそらく。

みんな集まらないんじゃないかな。
「みんなが楽しんでる姿想像しただけで楽しい!」って言ってるのが辛い。辛すぎる。

東京03が「用意したものを捨てるんだ」って歌ってましたけど、用意すればいいってもんじゃないというか。意気込んでやったことほどあんまりうまくいかない。

これ主体は準備してる人だと思うけど、神視点からその人を見てる形の作りになってて怖い。
全部カギカッコに入ってる感じがする。
パーティー始まるよって言ってんのに主体以外の存在を感じない。

ライブだと打って変わってこれから始まるぞ〜感が強くなるので超楽しい。


ちゃんとしないと死ぬ
大好き。
生きてると「あっ、これダメだわ」って急になることがあるんですよね。
校則きちんと守っててもそれだけでは人間関係はうまくいかないことに気づいたり、正しいとされてることをきちんとやっていてもそれだけではダメってことに気づいたり。
そういう時ってすぐに変われればいいんですけどそう簡単にはいかない。
だって今までこれでやってきたし。
でもちゃんとしないと、このままだとダメってわかってる。

そういう時この主体みたいに、「あるがままの俺」と「ちゃんとしないと死ぬ」をうろうろうろうろすることになる。
回避しようとして変なことしようとしてもムダ。こっから「変なことしても無駄」って言葉を持ってくるのほんとすごいな。こういう時って変なことしがちなんだよね。
ドラッグやる奴はクズ→ドラッグやらなくてもダメってのも説得力が高すぎる。

最後のギターのピューンピューンっての、馬鹿にしてる感じがあっていいですね。


スキルアップ
ライブで聴くと頗る楽しい!

この曲は高校の時にMVで見た曲なんだけど、その時は「マージで意味不ーだけどちょっと面白いな。ベースかっこいい」くらいしか思ってませんでしたが。
当時の私はすぐ「ベースかっこいい」と言いがち。

棒を突き刺したり風船が膨らんだり、意味のない言葉が繰り返されて、サビでギターが不安定に参入してくる感じがもう、最高です。楽しい。
「絶対これだってレバーがあるからそれをちゃんと引くと」って、歌詞カードに書かれた言葉だとは思えない。

ライブだと「ありがとうございます!」で客からリアルに歓声が上がります。歓声の上がり方が本当に自然で心地いい。


Jimi Hendrix Experience
ずっとリピートしてるサウンドがかっこいいし耳に残る。
「音楽を聴いて泣いたことがあるか。ドフトエフスキーを読んだことがあるか。ギターを弾かずにはいられなかった夜があるか」と畳み掛けるように聞いてくるんだけど、ここにぐっときてしまう自分がいる。
ライブだと「戦争のもののない時代を暮らしたことがあるか」とかまで言ってくるので一瞬真顔になってしまう。たまにこういうことしてくる。



カモン
このアルバムって、すごい客観視とか度を超えた自覚とか、自意識って突き詰めるとここまでいくんだな、って思わせる曲多いんだけど、これはその極地。

自意識って自分を苦しめるものなんだけど、トリプルファイヤーを聞いていると、自意識に火をかけてべっこう飴にしてさらにそれを焦がしたみたいなとこまでいって、そうなると自意識は自分を苦しめるものではなくなるんだなと思う。

この曲はライブで聴いた方が断然面白いし、むしろライブで演奏して完成するっていう、ロックバンドの曲によくある例の感じがするのでライブに行きましょう。


本物のキーホルダー
あんま書くことない。
広告のよくわからない文字に踊らされる我々。
そもそもキーホルダーに本物も偽物もあんのか(哲学)。


可能性が無限
「こんな何もない街を今すぐ抜け出して自分が生きたいように生きていけることができる 可能性が無限」
これだけきいてもポジティブ人間?って思うんだけど違うんだよね。
夜、ベッドの上に寝っ転がっていて、まだご飯も食べてないし風呂も入ってない、という時に、まあ、いつでもご飯を食べようと思えば食べられるし、風呂に入ろうと思えば入れるし〜。とかって時間を無駄に過ごすあれです。それの人生バージョン。

こういう逆説がすごい好きですね。逆説っていうのもなんか違うけど。普通間違ったことを言ってるようにみせかけて正しいのがいわゆる逆説だけど、トリプルファイヤーの場合、一見正しいことを言ってるのに中身見たら全然正しくないからね。
物事は見る側面によって真にも偽にもなりますよね。荘子かよ。

「俺は思わずギターをかき鳴らし乱れた心を落ち着けた」の音程が特に気持ち悪い。全然可能性が無限じゃないし溺れた子供も助けられなさそう。
自分の選択によって結局ギターをかき鳴らさずにはいられない精神状態になってしまっているのか。行き止まり感が強くて良い。
その後の叫び?呻き?に繋がっているように思う。


神様が見ている
神様が見ているっていうのは、だから大丈夫、というわけではなく、可も不可もないみたいな意味だと私は思う。
「友達は少なくても世界中の国旗を誰よりも覚えている」っていうのは大丈夫だよって言えるけど、「決勝で負けてよかった今ならそう思える」に、大丈夫は繋がらない。
人間はすぐ白黒はっきりつけたがる。これはよくない、これはいい。
神様はただただ見ている。人間世界の価値観では見ていない。絶対にそれは今起きていることだっていう確信だけがそこにある。可も不可もない。万物斉同

「結局最後まで何とも交換できないのなら俺は最初から何にも買わなかった」
交換できないってわかってて買い物するやつはいないだろと思わずつっこんでしまう。
遣る瀬無さを感じかけるんだけどいやただの屁理屈じゃねぇかという笑。でもそういうことたまにある。
やっぱり繊細だと思うパートの長さにも笑ってしまう。


ブラッドピッド
どこそこのブラッドピッド(ジョイディビジョン)を繰り返す。そこに目をつけて連呼する発想なかったなぁ。
場所がいっぱい出てくるけどその選び方になんの意味もない感じがいい。
考えなくて済むというのはこのバンドの魅力の一つだと思う。「そして浜松のブラッドピッド」っていうけど「そして」って強調するように見せかけてなんの意図もないのが面白い。

二番も、徐々に音楽が盛り上がってるのに対して言ってることの価値は上がっていかないのが面白い。

で、最終的に何いうのかと思ったら、「それぞれに特色があるから優劣をつけることはできない」って。いや何の話!?っていう笑。言われてみればそう……いややっぱ何の話これ。