アイスクリームと獅子

ノーライフ、ノーエブリシン!

私はトリプルファイヤーを笑い飛ばせない

トリプルファイヤーをここ最近ずっと聴いている。

彼らの何がこんなに私を惹きつけるのかとても不思議で、考えながら聴いてるうちにもうそんなのもどうでもよくなって、最初聴いた時の衝撃もほぼ消えてしまったけど、アルティメットパーティ5の全てを見たときに書いた記事でも見てください。
あれも大したことはかけてないけど。無理やり言語化した感がすごい。


歌詞がね、本当に意味がわからないんですよね。いや、意味がわからないというか、なんでこんなことを歌ってるのかわからないって言った方がいいか。
わざわざ曲にのせていうことか、っていうようなことしか歌ってない。
それでいて、ハッとさせられる言葉がたまにでてくるからこちらの心は掴まれてしまう。
知っている上で、変なこと歌ってるんだ、ってなる。
自覚は強い。

歌ってる内容が意味不明なら、歌い方も意味不明。もはや歌ってない。
喋ってるのか?と思ったら急に節がついたりするし、本当に喋ってるような曲もある。
ラップ?と一瞬思うくらいなんだけど、ラップにしては気が抜けてる。
友達に聞かせたら、「ジャズにラップのせたみたいだね」って言っていて、なるほど言い得て妙かもしれないと思った。
なにせ曲がかっこいいので始末に負えない(なんの始末?)。こちらの処理の。

未知。
とにかく未知だ。
こんなの聴いたことない!けど言ってることわかる!曲がかっこいい!のれる!楽しい〜!

なんで好きなのか全くわからないきけばきくほどわからない。でも、多分それが一番気持ちいい。わからないままにしておくのが一番楽しめる気がする。


私は唯一無二のものが好きだ。
誰にでも歌える言葉、誰にでも演奏できる曲、そんなものつまんない。
彼らはまさしく唯一無二なのだ。


私は世の中でよく言われる言説が嫌いだ。
生きていればいいことあるだの、止まない雨はないだの、明日は明日の風が吹くだの。何度そういう嘘に騙されてきたことか。いっぺん黙れ。

あと、音楽に限らず本とか漫画とかドラマとか映画とか、みんな恋ばかりテーマにするのもなんでなんって思う。
あ、これは私のことじゃないなって思う。疎外感。
恋愛以外もテーマにしようよ。


その点トリプルファイヤーが、私のニーズにピッタリ合っている。
嘘を言わない。本当のことしか歌わない。それっぽいことを言うとすぐに全然意味のないことを言って無効化する。無駄に連呼(無駄に連呼するのが面白くてもはや無駄な連呼ではない)。ポエジーも無効化する。

日本は力を取り戻す
でも世界中で争いが絶えることはない
俺は変なおっさんになる

(変なおっさん)

恋の歌もなくはないけど、恋をテーマに設定したら普通そっちいかない、っていう曲である。

一回付き合ったらなんでもしてよくなった

(抱きしめたい)

本当のことしか歌わないし、おそらく世の中に対して違和感があるんだろうなって思わせるんだけど、悲壮感がない。
吉田は絶対に死にたいとは歌わないと思う。

さっき私が言説に対して述べた文には多少怒りみたいなものを感じさせてしまうと思うのだけど、トリプルファイヤーに怒りは感じない。「次やったら殴る」「戦争の話」という過激なタイトルも、聴いてみると予想を全部裏切られる。
どんな違和感も吉田の気の抜けた歌い方で、「ま、いっか」となってしまう。


andymoriは、世界に対する違和感が莫大すぎてどうしようもない、死にたい、どこか遠くへ行きたいと歌っていて、それがやるせなさを生んでいて私は好きだった。
ライブには行ったことないけど、ライブ映像見る限り、それが爆発して演奏がとてつもなくカッコいい。ロックだ、と信じてしまう。

でも、トリプルファイヤーは「そんなの考えてもしゃあないし俺は寝っ転がってたいだけ」って感じで、最高じゃん。ってなる。
フロントマンがそんな感じなのに対して演奏陣はどこまでもストイックに演奏だけをする。クールだ。もちろん熱はあるが。

生きる意味を考えるから遠くに行きたくなる。遠くに行ったところで生きてる意味はわからないからどうしようもならない。それを過不足なく表現できているのがandymoriだと思うし、そういう意味では、私の中でandymoriは絶対的な存在ではある。
でも、遠くへ行きたいってずっと言ってるだけじゃ一生苦しい。

じゃあどうするのってなった時に、私は世界を笑い飛ばせる力の強さを知っている。
トリプルファイヤーは世界を笑い飛ばしているんじゃないかって思う。
一日中寝転がってたとか、銀行に行った俺偉いとか、だって疲れたんだもん、とか言ってるトリプルファイヤーの歌詞は、ユーモラスにあふれていて、等身大で、リアルだ。

私はトリプルファイヤーの歌詞を笑い飛ばすことはできない。
にやにやしながら楽しむだけだ。