アイスクリームと獅子

ノーライフ、ノーエブリシン!

小説家になりたかった。



そのために語彙力と表現力がほしいと思った。


でも、小説を書くために必要なものは語彙力と表現力じゃないって気付いて諦めた。






あの夜も、あの夜も、あの夜も、素敵だったなぁ。


いつも素敵なのは夜だ。


月が見えても見えなくても私には関係がない。



私には月の綺麗さを共有する相手はいない。




自分の言葉に酔うことと、韻文で表現をすることの違いって何だろう。





やっぱり自分に酔ってないと、表現なんてできないんだろうか。





わからない。
わからないけど、私は私の言葉に酔いたくない。






小説を書き始めた小学高学年の頃から、ペンネームを考えていた。



サインの練習もね。





まさか、本当にペンネームを使う日が来るなんて、高校の時の私は思ってなかっただろう。



あの時考えていたものとはまるで違うものになったけれど。






要は、私は向こう側に行きたいのだ。


表現する側に。



友人が出したCDが、全国のタワレコに並んで、彼女はワンマンライブを開いて、チケットはソールドアウトした。



私はそれに結局は行った。


迷っていた。


何のために行くのか直前までわからなかったけど、行って気付いた。



私は、ここに、あらゆることを感じに来たのだ。





夜にはそれぞれの夜がある。


誰かがどこかで何かをしている夜。



私は自分で選んでここに来た。






私も向こう側に行きたいと思わせてくれた彼女は、ステージ上に立つ彼女は、もう友達ではないと思った。



……違うか。
最初から私の友達ではなかった。






物販のCDを買った後に差し出した、無料の自分の短歌の本は、あんまりに貧相だったな。








でも。



私は私が作った短歌が一番好きだ。




歌で食っていけなくても、歌を詠み続ける限りは、1人の歌人として私は生きていける。



だから、脳内で想像した、してしまった、自分の作品に誇りを持てない自分にはなるものか。





私は自信を持って、自分の作品を誰かに読んでもらいたい。





誰にも読んでもらえなくても、私は私の作品を作り続ける。






あの時小説を書くのをやめたように、短歌をやめたくはない。