アイスクリームと獅子

美しいものと美しくないもの

文系が20年後も生き残るためにいますべきこと

という本を読んだ。岩崎日出俊さん著。
備忘録的感想。

最近、経済に興味があり、高校レベルの知識さえままならない私はようやく日本の経済について学び始めた。ニュースや新聞で連発される言葉の意味くらいはわかってきた。
今私が高校受験の面接でよく聞かれる質問、「最近興味のあるニュースはなんですか?」を問われたら、最強である。経団連が、就活ルールを廃止するというニュース、小学生がプログラミングを必修で学ぶというニュース。
日本の経済システムが変わりつつある(ずっと変わり続けている)。仕事はAIに取って代わられると何年もいろんな人が煽っている。

自分の未来に不安があった。私は文系の端も端、文学部日本文学科の学生である。
私は文系の学部が、世で言われるように「何の役にも立たない」とは思っていない。むしろ、文系学部がないがしろにされていることに憤りさえ感じる。だが、それと未来に不安を感じないこととは別問題だ。
そんなとき、タイトルが一面に書かれている本書を見かけ、「今の私にはこれだ」と思い、読んだ。

まだ学生の私はラッキーだったかもしれない。学生は時間がある。この本は、今働いていている人が読者に想定されていたためそう思った。何の能力もない状態で、急に仕事がなくなる未来なんて怖すぎる。文系の仕事はもとより、理系の仕事も確実に減る。文系理系関係なく、人間にとって厳しい時代がやってくる。

自分が思っているのと同じくらいの危機感レベルの意識で書かれていたので、とっても読みやすかった。高校レベルの経済がわかれば、何の問題もなく読めると思う。
だいたいいろんなとこで見聞きしたことをもとに、文系である自分が晒されるであろう危機やリスクも、思っていたのと同じくらいのものが書かれていた。そういう意味では、驚きはなかった。けど、自分の中では言語化できていなかったし、現状とリスクが網羅的に書かれていたので、読む価値は当然あったし、教育制度とか、アメリカについての記述は知らなかったことも多く、興味深かった。

この本によれば、今後人間が生きていくために必要なことは、大きく分けて三つだ。
クリティカルシンキングを身につける。
②自分は何者なのかを考え続ける。
③自分の市場価値を高め続ける。
で、おそらくこの順番で身につくものだと私は思う。
最近自分が考えていたことと合っていたなぁ、というのが雑感。それが本当に正解の答えか、と言われれば、そんなものはないから何とも言えないけど、私もこの三つを身につけることが大切だというのには当然のように同意。
とりあえず、英語を話せるようになりたいですね……切実に。

そしたら、文系は逆に役に立つのではないか、と私は思う。
私は文学部なので、文学部の話をおおざっぱにするが、文学を学ぶというのはイコール「人間のことを学ぶ」ということになる。人間のことを学ぶ、というのは人生を学ぶこと、自分がどう生きるべきなのかを学ぶことに繋がる。それはAIに決められることではなくて、自分でしか決められないことだ。何が正しくて何が間違っているのか。何が自分に必要なのか、そういうことを考える訓練を日頃からしているのが文学部だと言える。
だから、新たに出てくる仕事や、自ら作り上げていくことは、文系に向いているものである可能性は全然あるだろう。

ただ、もちろん、それだけでは市場価値はそこまで高くはならないのではないかと私は思う。やっぱり、プログラミングや、英語の能力は不可欠なのではないだろうか。理系と文系とを分けるのがナンセンスという論点も本書には出てくるが、私もそれを中学の時から思っている。働いていれば、理系の知識も文系の知識もどちらも必要になってくる局面が必ずあるだろう。
「文系だからといって、理数系のものを「自分にはできない」と諦めてしまうのはもったいない」とのアドバイスには、勇気付けられた。私は数字を見るだけで頭が痛くなってくるくらいの数学嫌いなのだが、数学の問題は本当は楽しいんだろうな、と思っていたこともあって。

本書の中で、文系側にも問題がある、という論点が出てくる。教授は教科書を棒読みし、学生は楽単をとる、というものだ。文系学生は理系と違い、単位さえ取れれば卒業できる、とのことだ。
マクロで見たら、そうなんだろう。ちゃんちゃらおかしいとは思うが。
まあ、ちゃんとやってればいいのかな。という、当然の結論ですね。それがマイナスになるなんてことはきっとないだろう。
急がば回れ、という言葉が身にしみる。私は焦っていたのだろうな。焦って早く行こうとすればするほど、足がもつれて転んだりする。
自分にできることを一つずつやっていくまでだ。

この本、理系にもおすすめです。