アイスクリームと獅子

美しいものと美しくないもの

トリプルファイヤーのこと



トリプルファイヤーというバンドが気になっていたけどこれを見たらだいぶ好きになった。だいぶ。
今度見に行こうかな。

これは歌なのか?メロディーが出てきたと思ったら消えてゆく。だからと言ってラップでも語りでもなく、一体なんなのかわからない。結局。
なのに楽器隊は恐ろしくかっこいい。
おかしいはずなんだけどどこもおかしくない。違和感が、なぜかない。

そして歌詞がいい。
ただ歌詞について言おうとするとどれもなんだか違う気がする。

#2トラックに轢かれた

自分にとって大切なことも誰かにとっての大切なことも自分が異様に気にしてることも怒りも悲しみも、全部トラックに轢かれたという事象に還元されてしまう。
なんか、穂村弘とかの短歌っぽさを感じた。
40代なのに20代に見えても、知らない人にどんどん話しかけて行っても、マスコミの言うこと全部疑ってかかっても、トラックに影響はない。
トラックはもちろん比喩だろうけどその辺、言うと野暮ったくなるのでやめよ。

#3サクセス

自分が今やるべきことが何かわかっているのにやらない。
だらしない人間ということになるのだろうか、やはりそれは。でも自分って意外と自分の思う通りにいかないじゃん。

もし俺が俺を自由に操れるとしたら
これが俺を動かすゲームだったら
俺をこんなままにしておかないけど
俺はただやらずにいた
一番良いと思ったことを
いつまでもやらずに寝転がってた

寝転がってたという言葉が出てくる驚きですよね。寝転がってるもんね、だいたいそういう時って。

#4SEXはダサい

もうなんか、共感通り越しておかしくなっちゃって笑う。
常識みたいなのを壊してるのに、どこまでも本当のことだ。
正論をどこまでも突き飛ばしているのが爽快なんだ。

日本の大学行ったって時間と金の無駄
日本の大学行く暇あったら
アプリ作りなさい

映画100本観るよりインドに一回行った方がいい

死にたいって言ってる奴どうせ死なない

笑ってしまう。確かにそうだと思う。
と思わせたのにもかかわらず

ごめんその時はそう思った
その時思っただけなんで別に
今はそうでもありません

と自分の言ったことを全部ひっくり返すという無責任ぶりよ。清々し過ぎていっそ最高です。

#6人生を変える言葉

だいたいこの手のことをシンガーが歌うと、嘘にまみれた歌詞になるんだけど、トリプルファイヤーはどこまでも本当のことを歌う。
人生は変えられる。だってそんなに意味がないから。

誰か見たら何も為してないように見えるこんな日々だっていつか
何かの肥やしにならないとおかしい

ヤンマガとかYahoo!ニュースのコメント
まとめサイトを見てるだけの
毎日だったとしても
人とはちょっと違う角度から
物みる力ある俺なら
ゴミの中にも大事なもん
見つける力がある

自分が生きてるプライドみたいなものなんじゃないですか。
どんなに自分がクソ人間だとしても、人生変わるし大丈夫、みたいな気楽さで生きていけたらいいのにね。

#9銀行に行った日

キラーナンバー。やと思う。
銀行に行った。それだけの曲。
ずっと行かなきゃいけなかったのに行ってなかった銀行に行った日。それは自分にとって特別だし、自分のことを好きになれる日。

銀行に行くってこと
誰かに賞を与えられることでも
俺にしかできないオリジナルのことでもないのかもしれない
でもそんなありふれた出来事に
正面からぶつかって行った
自分をまた少し好きになれた

この感覚がわからない人って絶対いると思うけど。
もう生きてるってだけで精一杯で、他人のこととか顧みることできなくて、自分のことで精一杯どころか自分のことさえろくにできてない人間には救いのような曲だけど。
「銀行に行く」っていう言葉に、それぞれが他の言葉を代入できるから。


続く。