アイスクリームと獅子

美しいものが好きです

山里亮太「天才はあきらめた」

手に職つけられた人はみんな天才だと思う。


職人、スポーツ選手、シンガー、芸術家、ロッカー、小説家、研究者。



そして、芸能人。

天才じゃなければ、そういう職につくことなんて、できないんじゃないだろうか。


感想

「何者かになりたい。でもきっと何者にもなれないだろう」
そう思いながらも諦めきれない私には「面白かった」だけでは流せない本だった。







南海キャンディーズの漫才をちゃんと見たのは、つい去年が最初だったと思う。
例によってENGEIグランドスラム


そりゃあね、彼らがM1出たあたりは私、小学生低学年だから。
それからはしずちゃんレスリングやって、二人でテレビ出ることすらなかったから。
私が見たときは、「復活!」みたいに紹介されてたし。


バーンってやつは、あーなんかこんなんみたことあるなー!って思いながら見てたけど、漫才がただただ面白かった。
南キャンのネタってこんな感じか!山ちゃんの毒ツッコミ好きやわ〜って。


で、とても好きだったので、ツアー行きたい!ってなって、少しして、初単独ツアー!って宣伝してたんだけど、なんか知らない間にチケットが売り切れてた(情報集めなかったバカ)。



オードリーの若林さんと仲が良いことは、ラジオを聞いていてめちゃくちゃ伝わってきた。
ミュージックソンで登場した時のあの絡み、羨ましいが過ぎる。


てことでですね(いつも思うけどこういう前フリ長いしいらないよなでも書きたいんだもん)、山ちゃんの本を買ったのは、若林さんが解説を書いているからっていうのが半分くらいはあるんですが。
ちゃんと本文から読んだ。






みんな言うだろうけど私も言っちゃう。
山ちゃんは天才でしょう。



「自分は何も持っていない」っていう今の若者の殆どが持っているだろう手垢つきまくった悩みは、それでも殆どが昇華されることはないと思っている。
でもこの本では、というか山里さんは、見事に昇華させている。

何も苦労なく頭の中に思いついたことを言うと目の前の人が笑ってくれる人たち、それが本物の芸人なんだとわかっていた。
(中略)
しかし、それ以外の人はこの世界に向いていないという答えを出すと、その瞬間にそれは「サボる理由」に変化してしまう。だから必死でその答えを無視するために、逃げるという選択肢なんて思いつかないくらいの努力をしようと思った。
(p63)

自分は何も持っていないからとか、あの人は天才だからとか、劣等感に浸って何もしないのはただの逃げだ。
逃げないために退路を絶って、ちょっとしたことでもいいから自分を褒めて、努力する。

こうやって私が要約して書くと、あまりの説得力のなさに、このブログをプリントアウトして破り捨てたい気持ちになるんだけど……。
どこの自己啓発やねんと……。

でも違うから。読めば自己啓発じゃないことわかるから。ドキュメンタルだから。






嫉妬とか怒りとか羨望。
そういうものって本当に対処するのが大変で、「ああもう、いいや私なんか。どうせ何にもないし」
って自分を諦めて終わらせてしまう私には、何度も出てくるその対処法に「うわーーーーできねええええええ」ってなりまくり。

それができる山ちゃんは、いわゆる「努力の天才」なんじゃないか。
でも、そうやって、「やっぱり天才じゃん、私にはできないできない」とかって思いながら、それこそ私はそれをサボる理由にしているだけだなと気づいてしまった。






それからもうひとつ。
山ちゃんは何度も何度も、少しでもできたことがあると自分を褒める。

例えば。自分が一軍だと思っていたら二軍で、一軍の芸人たちに対して嫌な気持ちを心の中でぶつけるエピソード。

頭の中は、そこにいる一軍の芸人の悪いところをひねり出して分析して、なんだかんだ難癖付けて、自分は彼らに負けているわけではない……と無理やり自分を肯定するという最悪モード。
ここで「あぁいつものクズ山ちゃんが出てきた」と一言自分に言い聞かせた。そして、もうそのことは考えるのをやめる。そして、「これで無駄に時間使わなくて済んだ。俺って偉い」と自分を褒めて(後略)
(p151)


今年の私の目標は、「自分を肯定する」。
自分を褒めてあげられるのは自分だけなのだから、少しでも頑張った自分を褒めてあげるっていうやり方は、そんなに間違っていないんじゃないだろうかと思わせてくれた。

ただ、褒めるのと甘やかすのとを混同させてはいけない。そのさじ加減が課題だとも思った。





私は、頑張って無理してやって、そのせいでなにもできなくなったら意味がないと思ってしまう。
それはそれで、正しい面はあるとは思うけど、私の場合はただの甘えであり逃げなのかもしれない。

「何者かになりたい」
それだけじゃ、何者にもなれないってわかっている。
なぜなら天才じゃないから。
天才はあきらめなければいけない。何者かになりたいなら努力しなければいけない。


さぁ、どうやって生きていこう。






雑感

ここからは雑感。


1.山ちゃんが芸人をやめようと思ったとき、千鳥やとろサーモンからネタを生かさせてもらったエピソード。
良い話すぎる。
ほんっとに、思う。
人って人によって生かされるよなって。
頑張っている人って、良い環境が寄ってくるんだなって。
類は友を呼ぶは本当だからね(ちょっと違うか)


2.他力本願行きたかったー!
いや、チケット取るための情報取集を怠った私が悪いんだけど。
南海キャンディーズがどうして単独ライブをしたのかってのが書かれてて、あーあ、その戦い、私見たかったよ。うわー。ってなった。


3.若林の解説
目次で、「ぼくが一番潰したい男のこと」とのサブタイトルを見たときから、はっ最高じゃん。
って思ってたんだけど、やっぱ最高だった。

ストンピングをお見舞いする」とか最初に言ってるけど、全然、すごい愛に溢れてた。溢れすぎてもはやラブレターじゃないかよ……。
薩長同盟のくだり最高に面白い。
自分の芸風を山ちゃんによって変えさせられたとのことだけど……私は若林さんの言葉のセンス好きだけどなぁと勝手ながら少し残念な気持ちになる。
たりないふたり、やればいいじゃない!!!待ってます!!