アイスクリームと獅子

美しいものと美しくないもの

ダ・ヴィンチ12月号 「星野源と、思考」を読んで

星野源の良さには、随分前から気づいていた。 「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマが大ヒットし、週に一度はテレビで星野源の「恋」が流れたあの数ヶ月間。 私はテレビの外から「星野源ってすごいんだろうなぁ」と漠然と思っていた。 「俳優もやって、曲…

ほんとなみだ

泣こうと思って泣くことはよくある。 もちろん、それにはなんらかの原因はあるのだが、それは、泣かないぞと思えば泣かないで終わるのだ。堪えられる。 例えば、映画を見て、ドラマを見て、アニメを見て、漫画を読んで。 君の名は。を見て私は泣いたし、映画…

文系が20年後も生き残るためにいますべきこと

という本を読んだ。岩崎日出俊さん著。 備忘録的感想。最近、経済に興味があり、高校レベルの知識さえままならない私はようやく日本の経済について学び始めた。ニュースや新聞で連発される言葉の意味くらいはわかってきた。 今私が高校受験の面接でよく聞か…

朝井リョウ「時をかけるゆとり」

ユーモアセンスがリトルトゥースだわ、という表現が散見。 いつからリトルトゥースなのかは知らないが。 (あ、リトルトゥースっていうのは、オードリーのオールナイトニッポンのリスナーのことです)さらっと読めてさらっと笑えて、やっぱりエッセイっていい…

ナナメの夕暮れ 感想 二周目

この記事を書いた後すぐに、もう一度読んだ。 感想を書きながら。 共感が限界突破しまくって、ルーズリーフ裏表10枚分の感想が出来上がったが、全てを公開するのは恥ずかしくもあるので、何を書こうかなと今迷い中。 私は、前作と前前作を、今年の3月に読ん…

若林正恭 ナナメの夕暮れ 感想

‪一気に読んでしまったナナメの夕暮れ。ずっと本を読む手が震えていた。一つの言葉に撃たれて、手をたっぷり止めて反芻したりもした。以前のような、雷に撃たれるような共感がなかったのは、私は40のおじさんではなく、20の女子だからというただそれだけの理…

村田沙耶香「コンビニ人間」感想

一気に読んだ。 おススメです。 普通とは一体何なのか? 世の中って本当に、「普通になれ」という暴力が蔓延している。 なぜなのだろう。 学生でも主婦でもないのにアルバイトをしていれば、疑問をぶつけてくる。 恋人がいなければ、簡単に作りなよと言う。 …

限りなく透明に近いブルー

読んでいてとにかく気分が悪くなる。注射針、ドラッグ、セックス、 延々句点だけで人物のセリフが羅列される文体 こんなにも日常の風景をみにくく描くことができるなんて 目を瞑ってしまいそうになるほど悲惨な出来事が、まるで三人称のように一人称で描かれ…

チョコミミを読んでくれ。

チョコミミを読んでもらいたい。 りぼんで絶賛連載中の漫画である。 実写化されるような人気少女漫画で全然キュンキュンできない私が、ありえんくらいときめいてしまう。 キュンキュンを通り越してもはや心臓がギュンギュンいうくらい。 こんな青春送りたか…

檸檬

本を読めなかった時期がある。 自分が何を好きなのかわからなくなっていた。 本を読むことは何よりも大切だったはずなのに、読んでも読んでも、楽しくなるどころか不愉快になっていった。 高校三年の国語の授業で読んだ「檸檬」は、私が再び本を読めるように…

山里亮太「天才はあきらめた」

手に職つけられた人はみんな天才だと思う。 職人、スポーツ選手、シンガー、芸術家、ロッカー、小説家、研究者。 そして、芸能人。天才じゃなければ、そういう職につくことなんて、できないんじゃないだろうか。 感想 「何者かになりたい。でもきっと何者に…

第一夜と檸檬

文学史の授業で、夏目漱石の「夢十夜」第一夜を読んだ。無論、文学史の授業だから、内容についてどうこうするわけではない。 先生が誰かに音読させるのを無視して、自分のペースで最後まで読んだ。あまりの美しさに目を瞑った。 ワインを口の中で含んで味わ…

米澤穂信「いまさら翼といわれても」

ようやく読んだ。古典部最新作。 若干のネタバレ。 「遠回りする雛」と同じように、短編が何作かまとまっている。 読んでいればすぐにわかるくらい、テーマははっきりしている。時の流れだ。 著者は「遠回りする雛」のあとがきで、小説の中で時間を進めるこ…

木下龍也「君を嫌いな奴はクズだよ」から一首

立てるかい君が背負っているものを君ごと背負うこともできるよ 木下龍也「君を嫌いな奴はクズだよ」p122 普通の、っていうか。 「君の苦しみを僕が背負うよ」 っていう救い(っぽい何か)の言葉としてありきたりすぎて、何度もいろんなドラマやJ-POPの歌詞に使…

だから文学から離れられない

私は「泣ける!」とかいうキャッチコピーが苦手だ。 映画を見て「泣けました!」と笑顔で言っているCMとかに嫌悪感を表す。 卒業式でも泣いたことはない。そういうのを見ていると、「簡単に泣けて、いいっすね」とまで思うくらいのひねくれぶりだ。 そんな私…

完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込 について書きたい

すみません、僕、自然体でドトール、頑張ってスタバなんです。スタバのときは入るだけでいっぱいいっぱいなのでショート・カプチーノしか頼めません。 穂村弘「整形前夜」p202 スターバックスカフェが好きになり、毎日通った場合「お洒落ぶっていると思われ…

島本理生「クローバー」

辻村深月の解説が印象的だ。 彼女はその解説の中で、「学生時代が楽しかったからこそ、そこに戻りたくない。 その理由を、この小説が教えてくれる。(要約)」と述べている。 それから、私が島本理生を好きな理由を、それこそさらりと述べてくれている。 ああ…

ぼおるぺん古事記

こうの史代さんの漫画、「ぼおるぺん古事記」について書きたい。 授業中に、先生がおススメとおっしゃっていて、とりあえず最初、一巻だけ買って読んだ。先生がおすすめしていたから、という理由で、古事記のことをあんまり知らなかったし、勉強のようなつも…

レインツリーの国

有川浩の「レインツリーの国」を、数年ぶりに読み返した。 感想というよりは、紹介したいと思って書いてる。 有川浩の小説は、本作と図書館戦争全6冊、県庁おもてなし課、植物図鑑、等々、まぁまぁ読んでいるのだけど、とても読みやすいんですよね。言ってし…

神様のボート

早く死んでしまいたい。 だけど自分から命を絶つなんてしたくないし、生きているのなら何かの役に立ちたい。 葉子は、生きているのならあの人を思い浮かべて待つ以外の何も望んではいなかった。 「骨ごと溶けるような恋」をしたあの人を。 共感など一度もな…

ウエハースの椅子

お初の記事は、江國香織の「ウエハースの椅子」について。私はこういう本は好きだ。 こういう本、というのは、さしてストーリー性がなく、主人公の緩やかな生活を洗練された文で綴っていくような。それが死の匂いをさせているとなお良い。そこには美しさがあ…